名古屋城の築城から400年、名古屋市の発展とともに豊かに流れ続けてきた堀川は、「名古屋の母なる川」である。2010年は、名古屋開府400年、COP10開催という記念すべき年であり、名古屋市に注目が集まる。それに向けて、既存の地図に基づいて、より機能性・目的性に優れ、堀川の魅力を十分に伝えることができる地図を作成しようと考えた。
古来より中国では、「天地人」という哲学観がある。「天」は円形の記号で表され、自然環境を表し、「地」は四角形で歴史文化を、「人」は三角形で人々の生活を示す。そしてこれらが三位一体のものであるという考え方である。
同様のデザインが、実は名古屋市内の中心地、栄でも見られる。上に「青空」の青色、下に「大地」の緑色、そしてその間に「人々」を表す紫色を塗り分ける街灯のデザインである。
私たちは、この2つのデザインを組み合わせて、堀川ゆかりのシンボルを記号と色でカテゴライズし、地図をより分かりやすくすることに成功した。また、堀川にまつわる豊かな自然、食文化、歴史なども多くの写真とともに盛り込んだ。
完成した地図は折り畳むと名刺大のサイズに収まる。しかし、縦横に屏風折にするというアイデアによって、シンプルにデフォルメされた地図から、さらに詳細な地図が展開される二重構造など、「大きく、小さく、見つめる ナゴヤのコレカラ」という今回のテーマに相応しい、魅力あるものに仕上げることができた。
小川明生
名古屋、日本
守屋涼太
名古屋芸術大学
大学院
西田拓也
愛知産業大学
造形学部
西本奈央
名古屋学芸大学
メディア造形学部
佐々木 一憲
名古屋市立大学
芸術工学部
鈴木香菜子
名古屋学芸大学
メディア造形学部
玉井 裕
名古屋学芸大学
メディア造形学部
趙 世華
名古屋大学
大学院