名古屋仏壇・仏具の技術を用いて、木のぬくもりが感じられるおみやげ
名古屋仏壇は、製造業者の数と仏具の生産量が全国一位であるにも関わらず、名古屋市民にもあまり知られていません。仏壇は若い世帯の家にはほとんど置かれておらず普段の生活では馴染みがないのが現状であり、また、高価で手軽に買えるものではありません。そこで私たちは名古屋仏具研究会の皆さんに協力していただき、名古屋仏壇の最大の特徴である組み木ほぞ組方式を使って日常的に使うことが出来るお土産を目指しました。組み立て式のお土産にしたのでコンパクトにおさまり、持ち運びしやすいことと、切手を貼ればそのまま郵送出来るのでメッセージや旅の思い出をそえて贈ることができます。もらった人が実際に組み立てることで技術を体験できる楽しさがあり、お土産として、全国の人に名古屋の仏壇・仏具職人の素晴らしい技術に触れてもらうことができ、名古屋の伝統工芸を知ってもらうきっかけにもなると考えました。
愛知淑徳大学清水裕二研究室では、名古屋の仏壇・仏具職人の皆さんとともに名古屋土産を提案しましたが、まずはご協力いただいた名古屋仏具研究会の皆さんに御礼を申し上げます。学生たちも、職人さんたちの意気込みに応えようと様々なアイデアを提示し、その熱意に応えて職人さんたちもそのアイデアの多くを形にしてくださいました。名古屋仏壇・仏具職人の高い技術を、名古屋市民のみならず全国の皆さんに知っていただけるようなお土産になったのではないでしょうか。また、名古屋と神戸の二都市で展示、プレゼンテーションができたのも、それぞれの都市の空間や雰囲気を体感する上で非常に意義深かったと思います。
神戸の審査員の皆さんからは高い評価とともに厳しいご指摘もいただいて、学生たちも非常に感激しておりました。これを契機に今後も二つの都市をつなぎ、デザインをより高いレベルに引き上げるような活動に引き続き携わらせていただきたいと考えております。
清水裕二