「世界で最初の宝石」と言われている真珠。遠い昔、貝の中に偶然生まれる真珠は、天然の産物として珍重されていました。絶世の美女と言われるクレオパトラや楊貴妃が真珠を美容薬として常用したとか、秦の始皇帝が不老長寿の薬として探し求めたとか、日本でも過去から真珠は、万葉集でも語られていますし正倉院の御物の中にも真珠を装飾したものがあります。このように真珠は、高価なものと思われていましたが、そのやさしく輝く真珠をもっと多くの女性に身につけて欲しい。そのような思いから、御木本幸吉氏の着想により研究が進められ、1907年に真円形の養殖真珠が生まれたのです。一方、明治の開港以来、国際的な貿易港として利用されていた神戸は、1952年、外国人居留地跡に日本真珠会館が建設され、品質の高いあこや真珠を日本から世界に送り出す拠点として栄えました。このような歴史ある真珠産業の発展を願い、神戸芸術工科大学は、柔軟な視野と創造力をもつ大学生を中心に、生活が楽しくなる「真珠」を使ったおみやげを企画提案いたします。
今回私たちは、日本から生まれた地場産業(真珠)と大学生の感性を掛け合わせ、新たな視点でおみやげの企画提案を行いました。企業への訪問、何度もブラッシュアップした作品、学生のイラストを使った空間演出、みんなで考えた展示など前向きに取り組んでくれました。彼女たちにとって真珠は、「日常生活の中のちょっとした贅沢感」だったのです。その後、名古屋でのプレゼンを経験して、神戸のプレゼンまでに色々な意見が出され、「ファッションショーをする!」までに至りました。
今回、他大学と交流し発表することによって刺激を受け、自分たちの思いを知ってほしいという意欲が湧いたことに、大変意義を感じました。また、特別賞をいただいたことで、自信をもち、今後の原動力になるとも感じました。
このような大学間交流プロジェクトは、学生の視野を拡げ、やる気を高める取り組みです。今後も再開されます事を望みます。ありがとうございました。
見寺貞子、森下千春