佐藤美代（音楽: BONZIE）
プログラム
佐藤美代（音楽：BONZIE）《alone》2020
砂絵アニメーションやペイントオングラス（ガラス板の上に絵の具で描いた絵をコマ撮りする手法で制作するアニメーション）、2Dアニメーションなどで作品を制作する佐藤美代と、アメリカの歌手、作曲家、マルチプレイヤーのBONZIEが共作した作品《alone》を堀川沿いのビルの壁面に上映する。
アーティスト・ステートメント
このミュージックビデオは、アメリカ在住のミュージシャンBONZIE（ボンジー）とのコラボレーションによって制作した作品。佐藤が《alone》が仮音源の状態で聴きながら絵コンテを描き、アニメーションの制作を進め、作品の方向付けや監修はBONZIEが担当するという役割分担で制作。
初対面で（いまだにまだ直接あったこともない）、日本とアメリカで距離的な問題や言葉の不安もあったが、お互い日本語・英語・google翻訳を駆使して友人になるところから始まり、メールやスカイプで何度もやり取りし、今では親友となった。
この曲の雰囲気や抽象的な歌詞から、女性の身体と山や木、雨、川などの自然のものが境なくつながっていくようなアニメーションを想起したので、そのアイデアを絵コンテに描いてBONZIEに送ったところ、彼女もそのアイデアを気に入ってくれビジュアルのすり合わせをした。
制作技法は、コマ撮りアニメーション。暗室の中で、机にライトボックスとガラスを置き、ガラスの上で絵の具を使って絵を描き、それを消したり描きたしたりしながら、一枚一枚撮影したものをつなげてアニメーションにしている。
一度全て消すと、同じ絵はもう戻らないので、曲の最初から最後まで、ほぼ一発撮りで撮影している。
私たちは、コンピュータのデスクトップを通して、作品以外の話やお互いの国、自粛期間について、文化についてたくさん話した。アーティスト同士、お互い友情を深めていきながら誰かと一緒に作品を作るということは、これまで私には無かった経験だった。お互い同じようなコロナ禍にありながら励ましあい、国境を越えてこの作品を作ることができてよかった。
（佐藤美代）
アーティスト
佐藤美代
アニメーション
愛知県名古屋市出身のアニメーション作家。2015年、東京藝術大学大学院アニメーション専攻修了。主に砂絵アニメーションやペイントオングラス（ガラス板の上に絵の具で描いた絵をコマ撮りする手法で制作するアニメーション）、2Dアニメーションなどで作品を制作。また、OHP（オーバーヘッドプロジェクター）を使った、砂絵や影絵のライブパフォーマンスのほか、不定期でワークショップなどを企画している。2020年に長野県に活動拠点を移し、アーティストとして活動する一方で、子どもの絵画・造形教室を定期開催している。
BONZIE
音楽
歌手、作曲家、マルチプレイヤー。米国シカゴ在住。『VICE i-D』『Vogue』『Brooklyn Vegas』などさまざまなメディアから称賛され、YouTubeで110万回以上の再生回数となった《alone》は『ニューヨーク・タイムズ』誌の2020年のベストソングの1つに選ばれた。次のアルバム「Reincarnation」はJay-ZやDoja Cat、John Legend等のR&Bやヒップホップアーティストとの制作で知られるプロデューサーと共同制作している。
