2011年6月28日
2011年6月22日から27日まで6日間の日程で、上海国際インテリアデザインフェスティバルが華々しく開催された。筆者は、その初日に催されたデザインフォーラムの場において、デザイン分野でユネスコ「クリエイティブ・シティズ・ネットワーク」に加盟する名古屋の取り組みを、世界に紹介するという使命を仰せつかった。フォーラムでは「新しいトレンド、グリーンデザイン」がテーマとして掲げられ、他の加盟都市であるベルリン、モントリオール、神戸、深圳、ソウル、サンテティエンヌ、グラーツの7都市の代表者らに混じって壇上に立った。
持ち時間が20分程度のプレゼンテーションでは、最初に名古屋での取り組みを、続けて名古屋市にある一教育機関として筆者が所属する大学の研究室での取り組みを紹介。前者に関しては、「ものづくり名古屋」のポリシーをベースに、次世代の育成、環境配慮への努力、多様な文化とのネットワークという観点で、国際若手デザイナーワークショップ、国際コンペティション 名古屋デザインDO!、NAGOYA DESIGN WEEK、COP10、あいちトリエンナーレなど具体的なアクションを説明した。後者に関しては、特にフォーラムのテーマに関連の強いプロジェクトとして、空き家のコンバージョン事例やインスタレーション作品にスポットを当て、サスティナブルデザイン、地域連携、デザインの楽しみ方などを伝えた。フォーラム会場は、このフェスティバルを契機に世界へアピールしたい地元関係者やメディア関係者のエネルギーで満ち溢れ、「グリーンデザイン」への関心の高さを強く感じた。
最後に、各国代表者向けに催されたエクスカーションについて触れておく。筆者にとって今回で3度目となる上海訪問であったが、案内人の解説に耳を傾け、意見を交わしながらの見学は新鮮で有意義なものであった。特にコンバージョン事例はいずれも秀逸で、まだまだ見過ごされている歴史的資源をデザイン力で再生できる可能性をそこに見た。今後はグリーンデザインを見据え、ハードだけでなくソフトも含めた、この街の質的変化に注視していきたい。
日時 | 2011年6月22日(水) ~6月27日(月) |
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会場 | Baolong Hotel Shanghai(中国・上海) |
主催 | 上海インテリアデザイン協会 上海クリエイティブシティプロモーション |