名古屋市は、2008年（平成20年）10月16日に、国際連合教育科学文化機関（ユネスコ）の「創造都市ネットワーク（デザイン分野）」への加盟が認定されました。
このネットワークは、文化の多様性の保護を重視しているユネスコが、創造的・文化的な産業の育成、強化によって都市の活性化を目指す世界の各都市に対し、国際的な連携・相互交流を支援するもので、2004年（平成16年）に創設されたものです。 デザインをはじめ、クラフト&フォークアート、映画、食文化、文学、音楽、メディアアートの7分野があります。
名古屋市会が1989年に発した「デザイン都市宣言」は、多くの市民の共感を得、そして記憶に刻まれ、「まちづくり」、「ものづくり」、「ひとづくり」に向けた市政の強い指針となりました。
デザインは、平和な時代の永続を願い、新たな生活文化の創造と、人類が営々と積み重ねてきた知恵と技術を結ぶヒューマニズムです。市政100年を迎えた1989年、戦災や「伊勢湾台風」という未曾有の自然災害を克服してきた私たちは、このデザインというヒューマニズムに出会い、平和な時代の永続を願う市民に応えるため、デザインを大切にする世界に誇れる街づくりを目指す強い意志を確立したのです。
私たち名古屋は、「清洲越え」という近世の都市づくりの歴史を持ち、また「ものづくり」の歴史の中にもあります。今、名古屋市を中心とするこの圏域が、世界でも有数の「ものづくり」の中枢圏域として活力に満ちているのも、「まち」の歴史や文化、資産があり、それを支える「人」があり、デザインというヒューマニズムの創造力があるからです。当地域から興り世界的な企業となった自動車産業をはじめとする多くの企業が、人々のたゆまぬ創意と工夫で創造性を高め、着実に成長を続け、圏域をも超えて世界の文化や経済に貢献していることに大いなる喜びと誇りを感じています。このデザインの力を名古屋市は今までも、そしてこれからも、多様な文化と共存できる持続可能な社会の実現に向け大事にしていきたいと考えています。
私たちは、デザイン都市の持つ豊かな創造性を活かし、国際連合教育科学文化機関（ユネスコ）とその提唱するグローバル・アライアンスに賛同し、同じ志を持つ諸都市との連携のもと、互いを認め、共生できる世界の実現に役立ちたいと希求し、ユネスコ・デザイン都市となりました。
名古屋市は、デザインで、豊かな創造性あふれる魅力的な都市づくりを目指します。
